テレワーク開発の最前線インタビューvol.4

東レACS株式会社
開発部長 張替様
開発部リーダー 木村様、古谷様


2017年10月より、自社パッケージである、アパレルのデザイン情報や縫製情報などを管理するソフトを顧客が導入した際のカスタマイズ等で、ニアショアテレワーク派遣”Teleworks”を活用されている、東レACSの張替様と、木村様、古谷様にお話を伺いました。

オフショアの見直しでニアショアの活用を導入

−− 御社の開発業務のなかで、どの部分でニアショアを使っているか教えてください。

張替 開発部のなかには、3グループがあります。メインのCADをやっているグループと、基盤的なインフラ系をやっているグループ。そして今回ニアショアを導入した、縫製のための仕様書・設計書を作るグループになります。ここは、お客様ごとのカスタマイズが入るところになります。
木村 お客様の要望に合わせて仕様を作り、カスタマイズする部分で、岡山の開発会社さんにこれまで3社分ほどお手伝いをしていただいています。
古谷 私のほうは新商品の開発を行っていますが、愛媛の開発会社さんに入っていただき、最初1カ月ほど弊社に来て勉強していただき、開発を進めている状況です。

−− 現在開発は社内でやっている部分と、外に出されている部分と両方あるのですか?

張替 外に出しているのはこのグループだけで、あとは社内でやっています。

−− 今回テレワークでニアショア開発を取り入れたのは、エンジニアの調達が主な目的になりますか?

木村 以前はオフショア開発を考えていて、実際にインドのエンジニア2名に来ていただいていました。価格面を考慮に入れても優秀な人材であるということでオフショアを導入したのですが、やはり言葉の壁が大きかったです。うちの業界ならではの専門用語、つまり洋服の部位を英語で説明をするのはかなり難しい。ブリッジSEになるとしても、あと何年かかるのかわからないわけです。

そのときにニアショアの話を聞きました。都内や近郊にもソフト会社さんはいっぱいいるのですが、ホームページを見ても、どこも同じようなことしか書いてなくて、結局どこかに紹介してもらうとか、実績を聞いてみるしかなかったのです。
古谷 実際にやってみると問題なくスムーズに使うことができました。特に自分のところは業務を切り分けることができるので、出しやすかったのかもしれません。

最初はコミュニケーションが心配だったのですが、毎日Remotty(*1)でチャットのように進められ、報告もきちんとあげていただいているので、ストレスなくコミュニケーションが取れています。
木村 コミュニケーションツールとしては、Remottyをうまく使いつつ、わからない場合はZoomで画面を共有しながら説明するという具合です。

プロのシステム開発の技術者の方なので、こちらが言ったことに対してきちんとやってくださるし、実際にうまくいっていると思います。

開発環境を共有して、直にやり取りできるのが理想

−− 工程的に開発の分担はどのようにされていますか?

古谷 設計書を渡して開発してもらいます。一度上がってきたものに対しては書面化してもらい、ソースを提供してもらいます。

自分のグループは新規開発なので、きっちりレビューというのはなかなかしづらいです。こちらで結合してテストをしてフィードバックしてというのを繰り返します。

新規の場合は、こっちの環境と向こう環境が同じわけではないので、そこが難しいところです。まったく同期していれば、そのまま向こうでレビューしてもらって、ここはおかしいとかできると思うんですが、そこまでは難しいと考えています。

基盤自体が違うので、スピードもこっちの環境と向こうの環境は違ってます。

−− 開発環境で、他に利用しているツールはありますか?

古谷 BacklogとSVNを利用しています。ソースや成果物は、それであげてもらっています。

張替 理想形としては、仮想環境上にうちの開発環境を持っていって、そこを共有する。今は別々なんです。ソースのときだけ器を用意してそこでやりとりしているようなかっこうです。

木村 取り込んで、またこっちでマージしないといけないとか、二度手間、三度手間になっています。理想は直にできたらいいですね。

古谷 1個の器を作ってそこで展開するというのが、最終的な展開方法なのかなと思います。

張替 ニアショアで、開発環境がまさに隣にいるような形にできればいいですね。

生産性が向上し、営業に「仕事をどんどんとってきていいよ」と言えるようになった

−− 実際にテレワーク開発をやってみて、どのような印象を受けましたか?

木村 これまで内製的にプログラムを組んでいたので、外に出すということはあまり推進してこなかったのですが、オフショアでインドの開発者を活用した際に気づきがありました。

社内の人員を増やせないとすれば、先頭に立って仕事を外注にお願いする。お願いできるものはどんどんお願いすると意識が変わりました。

ニアショアでは、基本的な知識のある方々なので、説明すれば理解してもらえるのは早いですし、仕事も速い。それで営業からの依頼もどんどん受けれるようになりました。
カスタマイズに関しても、けっこう仕事を取れるようになるのかなと思います。

古谷 新規はそんなに頻繁にあるものではないのですが、こちらで考えることが間に合わず、ニアショア側が指示待ちになるようなケースでご迷惑をかけたようなところもあったと思います。

木村 あとは、業務のあいだに、ちょっとほかの案件もやっておいて、と頼むことがありました。これは請負ではできなかったテレワーク派遣ならではのことです。気軽にいろんなことを頼んでますけど、先方も時間内でできれば快く対応いただいています。
新規の方が向いてたかもしれませんが、今回はそうでなかったので右往左往しながら一緒に作っていきました。そういうやり方は請負ではできないですよね。

うまくいくテレワーク派遣の導入のポイントについて

−− 現在2社を使っていただき、1社は最初から全てテレワーク方式で、もう1社は事前に1カ月御社に来てもらっていたと思いますが、その違いは何かありましたか?

古谷 愛媛の会社は最初1カ月弊社に来ていただいたのですが、最初からやりやすかったです。

木村 岡山の会社は私が岡山のお客様訪問する際に、月一で岡山に足を運んでました。ちょうど取引先が近くにあったんです。あとはWeb会議で1日に1時間から2時間話をしていました。
1ヶ月は必要ないとしても、初めに1週間くらい来ていただいたら、だいぶいいかもしれませんね。

−− テレワークでやっている場合、先方が着席して仕事をしているかどうかが気になると思いますが、そのあたりはいかがですか?

木村 最初の一時期が過ぎたら、あまり気にならなくなります。あとは成果物。あがってきたものに対して資料があって、プログラムがあって、ちゃんと動けばだいたい工数もわかるので、そこまで気にしません。逆にお客さんの急な要望で、短時間で作業をお願いして、あげていただくこともありますから、信頼関係を作れるのが大事です。今回いい方にあたったのかもしれないですけど。

張替 間にワンクッションを入れて、一定レベル以上の会社を紹介してくださるという、そこがTeleworksの強みなのではないですか。今後もお願いしたいと思っています。

−− ぜひ今後も活用いただければと思っています。本日はありがとうございました。

*1:Remottyは、離れた場所でもオフィスと同じコミュニケーション環境を実現するバーチャルオフィスツール。Teleworksで案件を開始する際に利用することができます。